簿記3級の合格率は、ネット試験で40.8%(2025年度・受験276,477名)、紙の統一試験では回によって28.7%から42.4%まで振れます(商工会議所公表値・2026年8月17日確認)。「2人に1人弱が受かる試験」という水準は5年間ほぼ動いていません。数字の実像と、どの水準の準備で臨むべきかを公表データだけで確かめます。
ネット試験は40%前後で安定している
| 期間 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2026年4月〜6月 | 64,183名 | 28,546名 | 44.5% |
| 2025年4月〜2026年3月 | 276,477名 | 112,797名 | 40.8% |
| 2024年4月〜2025年3月 | 254,433名 | 98,235名 | 38.6% |
| 2023年4月〜2024年3月 | 238,155名 | 88,264名 | 37.1% |
| 2022年4月〜2023年3月 | 207,423名 | 85,378名 | 41.2% |
| 2021年4月〜2022年3月 | 206,149名 | 84,504名 | 41.0% |
受験者は2021年度の20.6万人から2025年度の27.6万人へ増え続け、直近年度は過去5年で最多です。それでも合格率は37〜41%の帯に収まっており、受験者が増えたから受かりにくくなった、という関係は見えません。この安定は準備する側にとってありがたい性質で、「例年並みの水準に仕上げれば例年並みに受かる」試験だと言えます。
統一試験(紙)は回ごとの振れが大きい
| 回(実施日) | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 173回(2026.06.14) | 14,359名 | 4,854名 | 33.8% |
| 172回(2026.02.22) | 17,140名 | 5,757名 | 33.6% |
| 171回(2025.11.16) | 16,648名 | 5,743名 | 34.5% |
| 170回(2025.06.08) | 18,935名 | 8,024名 | 42.4% |
| 169回(2025.02.23) | 21,026名 | 6,041名 | 28.7% |
| 168回(2024.11.17) | 19,588名 | 5,785名 | 29.5% |
| 167回(2024.06.09) | 20,927名 | 8,520名 | 40.7% |
| 166回(2024.02.25) | 23,977名 | 8,706名 | 36.3% |
| 165回(2023.11.19) | 25,727名 | 8,653名 | 33.6% |
| 164回(2023.06.11) | 26,757名 | 9,107名 | 34.0% |
| 163回(2023.02.26) | 31,556名 | 11,516名 | 36.5% |
紙の統一試験は169回の28.7%から170回の42.4%まで、わずか2回の間で13.7ポイント動いています。年3回しかない一発勝負で、当たった回の難易度に結果が左右される度合いがネット試験より大きい——これが実数から読める統一試験の性格です。直近3回は33〜35%に収れんしていますが、この振れ幅自体は消えていません。
受ける人の数では、3級の中心はすでにネット試験です。2025年度に行われた統一試験3回(170〜172回)の実受験者は合計52,723名で、同じ年度のネット試験の受験者276,477名のおよそ5分の1でした。統一試験の実受験者は163回(2023年2月)の31,556名から173回(2026年6月)の14,359名へ、3年あまりで半分以下になっています。
「簡単な試験」と見積もると足をすくわれる
逆方向のことも書いておきます。合格率40%は「準備した人の40%」ではなく「受験した人の40%」です。ネット試験は思い立った日に受けられるため、仕上がる前に受ける人も母数に含まれます。それでも6割は落ちる試験なので、「3級は誰でも受かる」という通説を鵜呑みにして無防備で行くと、普通に落ちます。特に仕訳の型が固まる前に過去問だけ回す進め方は、本番の出題形式変更に弱い形です。
一方で、この試験は範囲が商業簿記の基礎に限定されており、2級のような工業簿記の壁はありません。2級との段差がどれほど大きいかは簿記2級の合格率推移で実数を並べています。
受ける前に試験の形を確かめておく
3級の試験科目は商業簿記だけで、3題以内・60分、70%以上の得点で合格です(商工会議所「3級 試験科目」)。この問題数と試験時間は2021年度からの形で、それより前の回の問題は形式が違います。時間配分の練習には、いまの形式に合わせた問題を使う方が本番に近くなります。
出題範囲も固定ではありません。2027年4月から2028年3月までに行う試験には改定後の出題区分表が適用され、統一試験・団体試験・ネット試験のどの方式にも同じ区分表が使われます(商工会議所「出題区分表」)。3級で何が変わるかは2027年度の出題範囲の変更点にまとめています。
どちらの方式で受けるか
3級に限れば、直近年度のネット試験の合格率40.8%に対し、統一試験は公表されている直近11回で28.7〜42.4%の幅で振れています。日程を自分で選べて、振れの小さいネット試験を選ばない理由は、実数の上ではほとんど見当たりません。方式ごとの違いの全体像(2級では差がさらに極端になります)は統一試験とネット試験どっちで受けるかにまとめました。当サイトの数値の扱い方は運営者情報を参照してください。
合格率・受験者数は商工会議所検定サイト「簿記 受験者データ」で2026年8月17日に確認した公表値です。統一試験の163〜167回のデータと、試験科目・出題区分表の案内は2026年9月24日に同サイトで確認しています。